京都そぞろ歩き・・・節分、吉田神社、須賀神社、聖護院界隈

　今年の冬は寒くて、なかなかそぞろ歩く気分になれなかったんですが・・・節分に乗じて（謎）ちょいと歩いてみました。朝、うっすらと雪化粧の京都です。これは、京都大学の前、百万遍交差点から見た、大文字山。そして、庭に残る淡雪。
　
　節分と言えば吉田神社です。創建は平安時代になって間もなくといいますから１０００年以上の昔、藤原氏によって、氏神である奈良の春日大社を勧請したものだそうで、大変な歴史があります。室町時代から節分詣でが続いているという、節分祭発祥とも言われている神社。この時期は毎年ものすごい人出になります。鬼を追っ払うという儀式自体は、平安の昔から宮中行事の中に組み込まれていました。追儺（ついな）とか鬼やらいとか言われるものがそれです。ただ、これは大みそかに行われていたとか。この追儺が、民間では季節の分かれ目、節分に行われるようになったらしいです。
　ここ吉田神社は、二月二日、節分の前日に鬼が出てきて退散させられます。残念ながらその日、土曜は仕事で遅くなったので鬼は見られず。気を取り直して、当日お参りします。
　ふだんは人通りも少ない参道を埋め尽くす人、人、人。一方通行で両側に露店がひしめき合います。

　昔なつかしい射的。ポンッと威勢のいい音。

　「サメ釣り」の屋台にぎょっ。ちゃんとビニール製のサメが桶の中にいっぱい入ってました。でも、なにが名物なんだか（笑）



　人の流れを泳ぐように参道を登ります。本殿の前には巨大なロールケーキを立てたような「火炉」。一年間守ってくれたお札だとか、正月のかざりだとか、あげくのはてはくまのプーさんのぬいぐるみまで。いろんなものが山積み。夜の１１時に火が放たれて、神様に奉納されるわけです。


　はしごで神官が、火炉の形を整えていきます。大きさがわかるでしょ。

　境内では当たり籤つきの「福豆」が売られていて・・・


　こんな豪華商品が並んでいます。ずっと奥まで賞品の山。



もちろん福豆を購入したのは言うまでもありませんよ。

　もずのはやにえ？・・・だるまのおみくじでした。


そして参拝。全然本殿に近づけません。お賽銭を力いっぱいシュート。



かわいらしい鬼のお面。残念ながら子供が大きくなったうま家にはもう必要ありません。

　吉田神社にはいろんな末社がありますが、珍しいところでは、お菓子関係の人の信仰が篤い「菓祖神社」。


　こんな感じで節分を楽しみます。
　今まで、節分と言えば、吉田神社しか知らなかったんですが、近所におもしろいところがあるというので歩いてみます。
　ここ、吉田神社から１０分ほど南に歩くと、聖護院。


　日本の修験道の中心ともいえる寺で、皇室の男子が出家した時に入る門跡寺院でもありました。今でもこの通り、兜巾をかぶった、山伏姿の修験者たちが大勢います。ろうそくを奉納すると、「ただ今のろうそくは〜のため」などと、いちいちマイクで発表しているのがおもしろい。

　


　この聖護院から東に数分歩くと、須賀神社。なんてことはない小さな神社なんですが・・・。


　ここには、本当に珍しい「懸想文売り」が出没するのですよ。まあ、見てみてくださいな。下の写真がその「懸想文売り」

　
怪しい姿でしょ。

　ひとつ千円で懸想文が買えます。
　この懸想文の効能書きがまた楽しい。この懸想文を人知れずタンスにしまっておくと、「顔がよく」なり、「服が増え」そして「良縁」に恵まれるんだとか。江戸時代には京の街にはこんな懸想文売りがいたそうです。

こんな感じだったらしい。

気になる中身はこの通り。


　ちゃんと手紙が入っています。手紙を広げて読んだ人によると、難しい古文で書かれていたそうな。専門の国文学者の手になるものらしいです。うま家では、すぐに娘のタンスにしまわれていった模様で、確かめるすべはありません。
　ここから東、５分ほど歩くと熊野神社。熊野の神の使い、三本足の八咫烏（やたがらす）がここかしこに見られます。
　

　八咫烏は、神武天皇を天岩戸から導いたのが八咫烏。ちなみに、日本サッカー協会のシンボルマークも八咫烏が使われています。なんでも日本にサッカーを広めた人が熊野三社のひとつ那智退社のある、那智勝浦の出身だったからそれにちなんで八咫烏をマークにしたらしいです。ここは、京都土産で有名な「八ツ橋」の発祥の地。境内にはこんな石碑があります。


　私が驚いたのは、この石碑が哲学者、梅原猛の書になるものだったからです。テツガクと柔らかい生八ツ橋のミスマッチ。いや、哲学の域を越えた幅広い活動をしている梅原さんとしては、別段不思議なことでもないかもしれませんな。

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